月次決算とは?1ヶ月ごとに行う決算業務のこと
2024.01.30 月次決算書
目次
月次決算とは
「決算」と聞くと、一年に一度の「年次決算」のイメージが強いかもしれませんが、年次決算と同様に重要なのが「月次決算」です。
月次決算は、毎月行われる会社の財務状況を評価する業務です。これにより、企業は毎月の売上高、営業成績、財政状態を把握し、迅速な経営判断を下すことが可能になります。多くの企業が月次決算を行っており、中小企業から大企業まで広く実践されています。年次決算の準備としても役立ちますが、月次決算は法的に義務付けられているわけではなく、企業が自主的に実施するものです。
一方で、月次決算はその重要性にもかかわらず、多くの項目とタイトなスケジュールが要求されるため、手間がかかると感じる経営者や担当者もいます。しかし、この業務を適切に進めることで、より効果的な経営管理が可能になります。月次決算の目的やスケジュール、ポイントを理解することは、経理担当者にとって自信を持って取り組むために非常に重要です。
月次決算のメリット
年次決算の負担を大きく軽減できる
月次決算を行うことで、年度末や四半期決算の業務負担を分散させることができます。これにより、決算期によくある超過勤務の減少につながり、経理部門の働き方改革にも寄与します。
例えば、仮払金や仮受金などの仮勘定の詳細を、数ヶ月前にさかのぼって調査するのは困難です。これらを年次決算で処理しようとすると、膨大な時間を要することになります。しかし、月次決算を定期的に行うことで、これらの業務負担を大幅に減らすことができるのです。
また、月次決算は、会計処理の誤りを早期に発見し、仕訳の精度を保つことができます。年次決算を1年に1度の大きなイベントとしてではなく、毎月の定期的な業務として捉えれば、経理担当者の業務効率が向上します。
事業戦略を早期に検討でき、状況に応じた経営判断ができる
毎月の決算を通じて、売上、利益、支出などの財務データを即座に分析し、その月の財務状況を正確に把握することができます。
これにより、次月の売上予測、年間予算との差異、市場の変化などへの対策を速やかに行えます。
月次決算により、財務状況をタイムリーに把握し、経営判断や事業戦略の再構築をより早く、効率的に行えるようになり、企業の成長と安定を促進する重要な要素と言えます。
ミスを見つけやすく、修正の手間を軽減できる
企業の規模が大きくなるほど、取引の数と扱うデータ量は増加しますが、月末ごとに決算を行うことにより、これらのデータを定期的に整理し、検証することができます。
この定期的な検証により、ミスや数字の修正が必要な場合にも迅速に対応することが可能になります。
特に、未払金や未収金などの問題が長期間にわたって停滞するリスクを減らすことができます。月次決算を通じてこれらの問題点を早期に発見し、速やかに対応することで、長期的な問題への発展を防ぐことができます。
節税対策を取りやすくなる
月次決算により、毎月の業績や財政状況を詳細に把握できるため、年間の決算予測が高精度で行えます。
予測に基づき、年内の利益が増加しそうな場合、企業は効果的な節税対策を計画しやすくなります。
例えば、利益が高い年には従業員への賞与の金額を増やす、または必要な備品を年内に購入するなど、税金対策を積極的に行うことで、利益に対する税金の負担を適切に管理し、経営効率を向上させることが可能になります。
金融機関から円滑に融資を受けやすい
金融機関は融資を行う際、企業の財務状況や業績を詳細に調査し、その結果に基づいて融資の可否を決定します。この過程で、企業が提出する最新の月次決算報告書が重要な役割を果たします。
月次決算報告書は、企業の財務状況や業績をリアルタイムで反映しているため、金融機関にとって融資判断を行う上で信頼性の高い情報源となります。
そのため、企業が月次決算報告書を提出することにより、金融機関は融資の判断を迅速に下すことができ、月次決算を行っていること自体が、金融機関に対して企業の財務管理の透明性と信頼性を示すことになり、良い印象を与えます。
企業が月次決算を通じて年度の利益を早期に予測し、正確で確実な財務情報を提供することで、金融機関の融資に対するリスク感知が減少し、より速やかに融資の意思決定を行うことができます。
月次決算のやり方・流れ
月次決算は正確性と対応スピードが重要になります。
年次決算の作業手順を踏襲しつつ、スピーディーな対応を心掛け、予め決められたスケジュールに基づき、効率的に進行させることで、適切な経営判断を支援する重要なプロセスとなります。
流れは以下のようになります。
1.決算整理作業の実施
2.月次決算書の作成
3.経営陣への報告
詳しい月次決算のやり方、導入の流れや注意点についてはこちらで解説しています
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